インディー・異色作【個性が光る、ただの名作では済まない作品】
新しい「面白い」に出会う
既存のジャンルでは括れない独自のテーマ、際立った作家性、一度読んだら忘れられない強烈な印象を残す世界観。
メジャーな流れとは一線を画しながら、確かな実力で多くの読者を惹きつけるインディー・異色作を厳選。
新しい価値観や表現に出会いたい方にこそ届けたい、特別な一冊との出会いがここにあります。
72.メタモルフォーゼの縁側(全5巻)
BL漫画をきっかけに、75歳の老婦人と17歳の女子高生が58歳差の友情を育んでいく、穏やかで瑞々しい日常ドラマ

■ 作品紹介 ■
書店でアルバイトをする女子高生の佐山うららは、ふとしたきっかけで一冊のBL漫画を手にした75歳の市野井雪と出会います。最初は戸惑っていた雪でしたが、描かれた物語に魅了され、うららと感想を共有することで二人は次第に打ち解けていきます。雪の家の縁側は、いつしか二人が「好きなもの」を自由に語り合える大切な居場所となります。雪の後押しを受け、うららは自分でも漫画を描き、同人誌即売会へ出展するという大きな一歩を踏み出します。
鶴谷香央理が描く本作は、繊細な筆致とゆったりとしたテンポが特徴です。大きな事件は起きませんが、季節の移ろいや会話の端々に、人生の豊かさと切なさが同居しています。17歳には17歳の、75歳には75歳の孤独や悩みがありながらも、それらを「BL」という共通の窓口から分かち合う姿は、読者の心を優しく解きほぐします。
■ 反響と広がり ■
「このマンガがすごい!2019」オンナ編で1位を獲得し、第22回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で新人賞を受賞するなど、高い評価を得ました。2022年には芦田愛菜と宮本信子の共演で実写映画化も果たし、原作の持つあたたかな空気感が見事に再現されています。全5巻で完結しており、一気に読み終えることができる「一生大切にしたい一冊」として、多くのファンに愛されています。
73.ダンス・ダンス・ダンスール(既刊31巻)
「バレエは女がやるもの」という偏見を捨て、男子バレエの極致を目指す少年の情熱を圧倒的な熱量で描く本格バレエドラマ

■ 作品紹介 ■
幼少期にバレエに魅了された村尾潤平は、父の死をきっかけに「男らしくあるべき」と格闘技の道へ進みます。しかし、中学2年生の時に転校生・五代都と出会い、再びバレエの世界へと引き戻されます。独学の技術と天性の華を持つ潤平は、圧倒的な才能を持つ孤高の天才・森流鶯を前に、本気でプロのダンサー(ダンスール・ノーブル)を目指す決意を固めます。
本作は思春期特有の葛藤を抱えながら、血の滲むような努力を続ける少年たちの姿を克明に描写しています。華やかな舞台の裏側にある、過酷なトレーニングや嫉妬、そして自らの限界を超えようとする執念。精神と肉体の両面で極限まで追い込まれるダンサーたちの心理を魂を揺さぶるような鮮烈な表現で描き出しています。
■ 反響と広がり ■
連載開始以来、従来のバレエ漫画の枠を超えたドラマチックな展開で、多くの読者から熱い支持を得ています。2022年にはMAPPA制作でTVアニメ化され、ハイクオリティなダンス描写が大きな反響を呼びました。2026年現在、物語は潤平がさらなる高みへと挑む展開を迎えており、『週刊ビッグコミックスピリッツ』を代表する人気作として走り続けています。
74.女の園の星(既刊4巻)
女子校を舞台に、国語教師の星先生と個性豊かな生徒たちが繰り広げる、シュールで愛おしい日常を描いた学園コメディ

■ 作品紹介 ■
ある女子校に勤務する国語教師・星先生。彼の日常は、生徒たちが学級日誌の備考欄で繰り広げる「絵しりとり」の謎解きや、教室で犬を飼おうとする突拍子もない提案など、些細だけれど予測不能な出来事で溢れています。星先生はそれらに淡々と、かつ真面目に対応しますが、その温度差が読者の笑いを誘います。
作者の和山やまは、何気ない学校生活の中に潜む「おかしみ」を掬い上げる天才的な手腕を発揮しています。登場人物たちは誰もが悪気なく全力で日常を楽しんでおり、その姿はどこか愛らしく、読後の幸福感に繋がります。一コマ一コマに凝らされた工夫と、計算し尽くされたギャグのキレは、既存の学園漫画とは一線を画す新感覚の面白さを提供しています。
■ 反響と広がり ■
「このマンガがすごい!2021」オンナ編1位に加え、第25回文化庁メディア芸術祭マンガ部門でソーシャル・インパクト賞を受賞するなど高い評価を得ています。単行本特装版の付録として制作されたオリジナルアニメでは、星先生役を星野源、小林先生役を宮野真守が演じたことも大きな話題となりました。2026年現在も連載が続く、現代コメディ漫画の金字塔として不動の人気を誇っています。
75.水は海に向かって流れる(全3巻)
シェアハウスを舞台に、複雑な因縁を持つ男女の交流を淡々とした筆致で描く、静かな熱量を秘めたヒューマンドラマ

■ 作品紹介 ■
高校進学を機に、叔父の住むシェアハウスに居候することになった直達。そこには、いつも不機嫌そうに料理を作っている26歳のOL・榊さんがいました。平穏な新生活が始まるかと思いきや、直達は榊さんと自分の家族との間に過去の重大な因縁があることを知らされます。当事者たちの過去を背負わされた直達と、その出来事から心を閉ざしてしまった榊さん。二人の関係はひとつ屋根の下で暮らす日々の中で少しずつ形を変えていきます。
田島列島は、重くなりがちな「因縁」や「感情の清算」といったテーマを日常の何気ない風景の中に落とし込んで描きます。ドラマチックな断罪や和解があるわけではなく、ただ時間は過ぎ、感情は形を変えていく。その「水の流れ」のような自然な変化が読者の心に深く染み渡ります。
■ 反響と広がり ■
「このマンガがすごい!2020」オトコ編で5位にランクインしたほか、第24回手塚治虫文化賞で新生賞を受賞するなど、高い芸術性が評価されました。2023年には広瀬すず主演で実写映画化され、原作の持つ独特な空気感と繊細な物語が広く知られるきっかけとなりました。全3巻という短さながら、読むたびに新しい発見がある、密度の濃い名作です。
76.惑わない星(全9巻)
人間が居住不能となった未来の地球を舞台に、擬人化された「惑星」たちが宇宙の真理や自らの存在意義を語り合う、唯一無二の哲学的SF

■ 作品紹介 ■
はるか未来、地球は深刻な環境汚染によって人間が住めない星となっていました。わずかに生き残った人々がドームの中で生活する中、主人公の沢は、ある日「地球」と名乗る美しい女性と出会います。彼女をはじめ、次々と現れる太陽系の惑星たちは、自らの物理的な状態や宇宙での立場に翻弄されながら人間たちと対話を重ねていきます。
著者の石川雅之は、膨大な科学的知見を背景に、天体という巨大な存在を「個」として描き出すことで宇宙の神秘を等身大の物語へと昇華させています。惑星たちの会話は時に滑稽で、時に深遠であり、読者は彼らを通じて、自分たちが住む星の尊さと文明が歩んできた道のりを再確認することになります。
■ 反響と広がり ■
連載開始以来、その圧倒的な独創性と緻密な作画、そして知的好奇心を刺激する内容が、SFファンのみならず多くの読者から支持されました。科学的な正確さとファンタジーとしての面白さが絶妙なバランスで両立されており、全9巻で完結した現在も、星と人間の絆を描いた比類なき名作として語り継がれています。
77.ひらやすみ(既刊9巻)
阿佐ヶ谷の平屋で暮らす自由人の青年と、周囲の人々の何気ない日常を、圧倒的な肯定感で描き出す令和の幸福論

■ 作品紹介 ■
29歳のフリーター・生田ヒロトは、近所のおばあちゃんから譲り受けた阿佐ヶ谷の平屋で、美大進学のために上京してきた従姉妹のなつみと二人暮らしを始めます。定職にもつかず、将来への不安も感じさせないヒロトの生き方は、世間一般の「正しさ」からは外れているかもしれません。しかし、彼の周囲には自然と人が集まり、誰もが少しだけ肩の力を抜いて明日を迎えられるようになります。
本作は、夢や仕事、将来に悩む人々のリアルな葛藤を掬い上げながらも、それらを「ただそこにいること」の全肯定によって優しく包み込みます。何気ない散歩や、縁側で飲むお茶、友人との他愛ない会話。そんな些細な日常の積み重ねが人生をいかに豊かにするかを教えてくれる、現代のバイブルとも言える一冊です。
■ 反響と広がり ■
「マンガ大賞2022」で3位にランクインしたほか、文化庁メディア芸術祭での選出など、その高いクオリティは多方面で証明されています。2026年現在も『週刊ビッグコミックスピリッツ』にて連載が続いており、SNSでも「読むと救われる」という声が絶えない、今最も愛されているヒューマンドラマの一つです。
78.ケンシロウによろしく(全8巻)
復讐のために暗殺拳を極めようとした男が、なぜか「凄腕のマッサージ師」として人々を癒やしていく姿を描いた、爆笑必至の格闘(?)コメディ

■ 作品紹介 ■
幼い頃、母を奪ったヤクザへの復讐を誓った沼倉孝一。彼は伝説の漫画『北斗の拳』をバイブルとし、暗殺拳を身につけるため血の滲むような修行に明け暮れます。しかし、あまりにもツボを極めすぎた結果、彼は指先一つで人を殺すのではなく、人を絶頂の快感へと導くマッサージ師になっていました。
本作は、狂気すら感じさせる沼倉の真剣さと、それによって引き起こされる事態のバカバカしさのギャップが最大の魅力です。どれだけ高い技術を見せつけようとも、目的はあくまで「復讐」であると言い張る沼倉の姿は、読者の予想を裏切り続ける笑いを提供します。真面目に不条理を突き詰めることで生まれる新感覚のコメディです。
■ 反響と広がり ■
『週刊ヤングマガジン』連載中から、その圧倒的なインパクトで多くの読者の心を掴みました。2023年にはバカリズム脚本、松田龍平主演で実写ドラマ化され、原作の持つ異色な空気が映像でも再現され大きな話題を呼びました。全8巻で完結しており、一気に読み通せる疾走感と、読み終わった後の不思議な爽快感が魅力の傑作です。
79.住みにごり(既刊9巻)
一見どこにでもある「平凡な家族」の、皮一枚めくった下に潜む狂気と不穏を描く、強烈な読後感を残すホームドラマ

■ 作品紹介 ■
29歳の末っ子・謙太郎が、久しぶりに実家へ帰省するところから物語は始まります。そこには、20年以上引きこもり続けている兄、厳格だがどこか壊れている父、そして不自然なほど明るく振る舞う母がいました。再会した家族との生活の中で、謙太郎は実家に漂う異様な違和感に気づき始めます。
作者のたかたけしは、家族という最も身近な存在の中に潜む「理解不能な他者」を冷徹に描き出します。大きな暴力や事件が起きずとも、食卓の風景や些細なやり取りから溢れ出す不穏な気配。読者は謙太郎の視点を通じて、逃げ場のない実家の澱んだ空気に飲み込まれていくことになります。
■ 反響と広がり ■
『ビッグコミックスペリオール』での連載開始直後から、著名な漫画家やクリエイターたちが絶賛し、SNSでも「怖すぎる」「目が離せない」と大きな反響を呼びました。「マンガ大賞2024」にもノミネートされるなど、2026年現在、既刊9巻に達してもなお、最も注目を集める異色の家族ドラマとして確固たる地位を築いています。
80.平和の国の島崎へ(既刊11巻)
幼少期にテロ組織に拉致され、戦闘工作員として育てられた男が、日本で「普通の日常」を取り戻そうと葛藤する姿を描いたアクション・ヒューマンドラマ

濱田轟天(原作) 瀬下猛(漫画) 講談社
■ 作品紹介 ■
30年前、国際テロ組織に拉致され、戦闘のスペシャリストとして訓練を受けてきた島崎真悟。組織を脱出し、日本へと帰国した彼は、かつての自分を捨てて「普通の日本人」として生きることを決意します。しかし、平和なはずの日本でも、彼の卓越した戦闘技術が必要とされる事態が次々と発生します。
本作の魅力は、島崎の無垢なキャラクターと、戦場仕込みの冷徹な技術のコントラストにあります。朝食に感動し、近所の人々と交流する島崎の平穏は、常に過去の影に脅かされています。アクション漫画としてのカタルシスと、一人の人間が人間らしさを取り戻していく感動が、高いレベルで融合した一作です。
■ 反響と広がり ■
『モーニング』での連載開始以来、練り込まれた設定と迫力のアクションシーンが大きな支持を集め、累計発行部数は100万部を突破しました。2026年1月現在、最新刊は11巻に到達しており、島崎の過去を巡る因縁がさらに加速する中、目が離せない展開が続いています。
81.九龍ジェネリックロマンス(既刊11巻)
かつて香港に存在した九龍城砦を彷彿とさせる街を舞台に、過去と現在、そして記憶が交錯する極上のノスタルジック・ミステリー

■ 作品紹介 ■
不動産会社で働く30代の鯨井令子は同僚の工藤に密かな恋心を抱きながら、ノスタルジックな空気が漂う九龍城砦で日々を過ごしています。しかし、何気ない日常の中で、鯨井は自分自身の記憶や周囲の状況に、説明のつかない違和感を覚え始めます。
本作は、一見すると大人の落ち着いた恋愛物語のように始まりますが、物語が進むにつれて街の成り立ちや「鯨井令子」という存在の謎が浮き彫りになっていきます。日常の中に潜む違和感が次第に巨大なSF的ミステリーへと繋がっていく構成は秀逸です。眉月じゅんの圧倒的な画力で描かれる、湿度を帯びた街の空気感と切なくも美しい愛の物語が融合した一作です。
■ 反響と広がり ■
『週刊ヤングジャンプ』での連載開始直後から、その独創的な世界観と先が読めない展開が多くの読者を惹きつけました。2025年にはTVアニメ化と実写映画化が決定し、さらに注目度が高まっています。2026年1月現在、最新刊は11巻に達しており、記憶と愛を巡る物語はいよいよ核心へと近づいています。
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